歩くスピード #

花の写真はわりとよく撮る。花を撮っていると、自分で育てればきれいな花が撮れるかな？　とか考えることもあるが、そうしたことはない。それは、自分で育てた花はきっと撮影しないとわかっているから。被写体にこめる愛情は、ちょっと違うところにある。

撮影散歩の行動範囲を広げるために自転車に乗り始めた。自転車はもともと自分にとって被写体だったのに、乗り始めてしまった。花は育てなかったのに自転車に乗り始めたのは、それが楽しいことだと元々知っていたのだろう、きっと。

でも、楽しいからこそ、自分の中で自転車と撮影は切り離されつつある。自転車に乗る時も常にカメラは持っているが、結構乗る事だけが目的な一日を過ごしたりする。

今日は寒かったせいもあるが、自転車ではなく、徒歩で出かけた。そして、今さらながらに思ったのは「あぁ、なるほど。これが自分の撮影のリズムなんだな」という事。特に目的もなく歩いている最中でないとダメなんだな、きっと。

そう気づくと、目的地では何も撮影せず、そこにたどりつくまでの休憩地点で撮影していることが多いのも、何となく理解できたりして、我ながらアマノジャクだな。